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 動物の体を利用して、ヒトの臓器をつくる。そんな研究が日本でも本格化しつつある。種の壁を越える試みだけに、まだまだ実現のハードルは高いものの、うまくいけば臓器移植を待つ患者の助けになるかもしれない。

 東京都港区の東京大医科学研究所。ある建物の1階で、たくさんのネズミが飼われている。広さ32平方メートルの部屋にマウスが約2500匹、その隣の20平方メートルの部屋にはマウスより一回り大きいラットが約800匹。それぞれ数匹ずつ、プラスチック製ケースで飼育されている。

 ネズミの体を使ってヒトの臓器をつくれないか――。そんな発想で研究を進める中内啓光・特任教授や山口智之・特任准教授らの研究施設だ。

 手順はこうだ。①まず、遺伝子操作で特定の臓器をつくれないようにしたネズミの受精卵を用意する②胎児になる途中段階の胚(はい)(胚盤胞(はいばんほう))まで育て、細いガラス針がついた機器でヒトのiPS細胞を注入する③それを代理母のネズミの子宮に戻す。④生まれた赤ちゃんネズミの体内で、自分の臓器ができるはずのスペースに、iPS細胞由来のヒトの臓器ができる――。

 この方法は「胚盤胞補完法」と呼ばれ、原理は1993年に海外の研究者によって報告された。種が異なる動物の間でも成り立つのではないかとみた中内さんらの研究グループは2010年、マウスの胚(はい)にラットのiPS細胞を入れ、赤ちゃんマウスの体内でラットの膵臓(すいぞう)をつくることに初めて成功。異種の細胞をあわせ持つキメラを誕生させた。17年には、ラットの体内でマウスの膵臓を作製。インスリンを出す膵島(すいとう)を分離して糖尿病のマウスに移植し、治療できたと発表した。

 積み重ねてきた知見をもとに、…

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