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 ママのみなさん、出産をした施設で「骨盤底のケア」を受けたことはありますか? 出産後に、尿もれや便もれ、膣(ちつ)から下がってくる「何かふれるもの」に、ひそかに悩んだ人も多いのではないでしょうか。慣れない赤ちゃんのお世話に明け暮れる日々の中で、「後回し」になりがちな会陰部や骨盤周りの悩みを、産後間もない時期からもっとケアしよう。そんな動きが、医療の現場で広がり始めています。

骨盤底のトラブル、すべて診ます

 東京都心のオフィスビル6階にある、亀田京橋クリニック(東京都中央区)。ここに今春、「産後骨盤トラブル外来」がオープンした。尿もれや便もれ、膣からの臓器脱など、お産にともなう骨盤周りのトラブルに対応する。

 この外来の特徴は、排尿トラブルや臓器脱に詳しい産婦人科医と、排便トラブルが専門の消化器外科医、そして骨格や筋肉に詳しい理学療法士と、助産師が、同時に診察に当たること。産後すぐから数年以内の人を対象にしていて、初診時に検査、治療方針の決定、リハビリ指導までを行う。

 お産は、女性の体にとって大きな負担になる。おなかが大きくなって姿勢が崩れると、腰痛などにつながる上に、便や尿などの禁制を保つ「骨盤底筋群」に負荷がかかる。経膣分娩(ぶんべん)では、産道の周りの筋肉群や靱帯(じんたい)が引き延ばされて、多かれ少なかれダメージを受ける。出産時に、会陰部が肛門(こうもん)まで裂けてしまう傷を負うこともある。こうしたダメージから十分に回復できず、筋肉や靱帯、骨盤などが不安定な状態が続くと、尿・便のもれや子宮脱など、さまざまなトラブルに悩まされ、もやもやとした不安を抱える日々を過ごすことになる。

 高橋知子医師(消化器外科)は「産後のお母さんの体の悩みって、一つじゃない。産後のただでさえ大変な時期に、肛門の外来に行って、泌尿器科に行って、リハビリに行って……となると、問題を解決するために何度も通わなければいけなくなる。それならば、1回で方針を決めて治療まで始められる、そういう外来が必要だと思って」と話す。

 初診は1時間。まず、診察の前に何種類かの質問票に記入し、その内容に基づいて問診を行う。次に、内診台で膣や肛門に機器を挿入するなどして、症状に応じて2~3種類の超音波(エコー)検査を行い、臓器の下がり具合や、肛門を締める筋肉の損傷の状態などを確かめる。骨盤底筋群を自分で収縮できるかどうかも、医師が内診をしながら確かめる。そして、検査結果に基づいて治療の方針をたてた後、理学療法士が、姿勢や体の傾きなどを確認。授乳姿勢など日常生活で気をつける体の使い方や、産後すぐからでも取り組める筋肉のトレーニング方法などを指導する。

 その後は、自宅でも正しい姿勢や筋肉のトレーニングを続けてもらい、その後は月に1回受診。3カ月後まで経過をフォローする、という流れだ。

 症状によっては、手術を検討す…

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