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 夏休みを終えると、学校に行きたくないと悩む子どもたちがいる。東京都内でフリースクールを運営する中村玲菜さん(22)はかつて不登校だった。その体験からいま発信する子どもたちへのアドバイスは、「学校は、過ごし方の選択肢の一つ。自由に居場所を探してもいい」だ。

 中村さんは神奈川県出身。昨年6月、目黒区にフリースクールRizを立ち上げた。「Self-Realization」(自己実現)を旗印に、今は13人の中高生の居場所づくりに取り組んでいる。

 中学に入りたての春。学級委員として級友に注意したことをきっかけに、一部の男子生徒から疎まれるようになった。悪口や嫌がらせは次第にエスカレート。先生や友人を頼れず、学校を休みがちになった。

 「遅刻するぐらいなら学校に来るなよ」。体育祭の日に遅刻した時、男子生徒から放たれた一言が忘れられない。存在を否定された思いがした。自宅に引きこもる一方、ボランティア活動に精を出すなど居場所を見つけようともがいた。

 転機は中学2年の2学期だった。隣の市の中学校に転校した。環境に恵まれ、学校に通うことが楽しくなった。向き合ってくれた当時の担任は「この人みたいになりたいと思わせるほど尊敬できた人」。いつしか支える側に立ちたいと、高校生の時、インターネットに不登校生向けの掲示板サイトを開いた。

 悩み相談で実体験を語ると感謝された。自分のつらい経験が誰かの役に立っているという発見が力になった。ただネット上でのやり取りはメッセージに限られる。実際の支援に軸足を移すことにした。

 「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、休んで図書館へいらっしゃい」

 2015年に神奈川県鎌倉市図書館がツイッターに投稿した言葉が話題になった。学校に行くことが唯一の選択肢ではない、という風潮が社会に広がったと受け止めている。中村さんは付け加える。

 「一人で悩まなくていい。もし親と意見が違っても、お互いを嫌い合うこととは別の話。学校は数え切れない選択肢の中の一つでしかない。自分の意思を優先してほしい」(横川結香)