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 オフィス用品大手アスクルの定時株主総会が2日、東京都内で開かれた。親会社のIT大手ヤフーと大株主の文具大手プラスは、創業者の岩田彰一郎社長と社長を支持する独立社外取締役3氏の再任に反対する議決権を総会前にネットで行使。そして2日の総会では、岩田氏ら4人の退任が正式に決まった。会場入りする株主からは賛否それぞれの声が聞かれた。

岩田氏支持の株主は「ヤフーは強引」

 埼玉県戸田市の男性は「大株主だからといって、社長を辞めさせるヤフーのやり方は強引すぎる。まして社外取締役まで。(物流センターの)火災発生以来、アスクルはうまくいっていないが、岩田社長を再任してほしい」と話した。

 千葉県柏市の男性(60)も岩田氏の続投を望み、「(個人向け通販の)LOHACO(ロハコ)事業はこれまでも大株主のヤフー主導でやってきているはず。それなのに、採算が悪いからといって、岩田社長を辞めさせるというヤフーの方法は無責任だ。岩田社長の再任を希望するが、株主としては、ロハコ事業が会社の利益に貢献して株価が上がってくれればいい」と話した。

 別の80代男性は「資本の論理から言えば岩田さんの退任は避けられないが、人間的には岩田さんを応援している」。30代男性は「どちらにも主張があると思うので聞いてみたい。私は個人株主なので決定に身を委ねるしかない」と話した。

 東京都のアパート経営、猪俣洋一郎さん(64)は、アスクルの出身母体であるプラスのOBという。10年以上前からアスクルの株を持っている。「岩田さんは一生懸命やってきた。ロハコ事業は赤字だが、これから伸びしろがある」と話し、岩田氏の再任を認める議決権行使をするという。

 ヤフーの動きに対しては「ソフトバンク系の企業がやりそうなことだ。楽天などに対抗したいのだろうが、アスクルがヤフーに渡ってしまうのは寂しい。OBとしては、プラスも賛同したことは複雑だ。色んな事情があるのだと思う」と話す。

ヤフー支持の株主「再任反対は仕方ない」

 埼玉県の男性(74)は「ヤフーの方が強いんだからしょうがない。岩田さんも自分でまいたタネ。いくら創業者だといっても、悪あがきしない方がいい。ネット通販の競争は激しい。ヤフー傘下以外での方法はない」と話した。別の男性も「岩田さんのことは応援しているが、ロハコは他と比べても見劣りする」と事業の成長性に疑問をつけた。

 さらに、「ヤフーが大半の株を握っているのだから、(岩田氏の再任に反対する議決権行使は)しょうがない。岩田さんはかわいそうな面もあるが、岩田さんが経営者の時に(ロハコ事業の業績低迷の一因となった物流倉庫の)火事を起こしたのだから、道義的責任として潔く辞めざるを得ないでしょう。株主としては株が上がってくれればいい。今回の事態は高みの見物だ」(74歳の男性)との声も。

 アスクルや、ヤフー、ソフトバンクグループの株を持っているという投資家の男性(70)は「ヤフーがなぜ岩田社長の再任に反対しているのか確認したくて参加する。方法があまりにも強引すぎる。業績不振を理由にしているが本音がそこにあるとは思えない」。

 岩田氏の経営手腕については「先行投資といってもロハコ事業は赤字が続きすぎている。問題が無いとはいえない」と評価した。

 注目するのは、今後のかじ取りをする社長が誰になるかだ。「革命後により悪くなることもある。社長を代えればいいというものではない。しっかりした人選をしてもらいたい」と語った。

ヤフーは総会に出席せず

 ヤフー広報は、アスクルの株主総会に「株主として出席していない」と回答。総会の結果を受けて、コメントを出すことも検討中という。