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 京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオで7月18日に起きた放火殺人事件で、京都府警は2日、犠牲になった35人のうち10人の身元を公表した。事件発生後、府警が亡くなった人の氏名を明らかにしたのは初めて。

 府警によると、公表された10人は、いずれも京都府内在住で、22~61歳の男性6人と女性4人。「涼宮ハルヒの消失」や「らき☆すた」などで監督を務めた武本康弘さん(47)のほか、映画「ドラえもん」や、「火垂るの墓」などの原画を手がけたベテランアニメーターの木上(きがみ)益治(よしじ)さん(61)らも含まれていた。

 府警によると、今回の10人は、実名公表について遺族への説明と葬儀を終えていることを踏まえて、公表した。残る25人についても、引き続き、実名を公表することに、遺族や京都アニメーション側に理解を求めていくという。

 京都アニメーションは先月22日、府警に対し、「プライバシーが侵害され、ご遺族が甚大な被害を受ける可能性がある」などとして、犠牲者の実名公表を控えるよう書面で申し入れていた。

 犠牲者の公表に2週間余りかかった理由について、府警の西山亮二・捜査1課長は「実名公表に関し、個々の被害者のご遺族と、実名公表に反対している会社側の意向を丁寧に聞きながら、広報方法とタイミングについて慎重に検討を進めた結果」と説明した。

 京都府警が身元を公表したのは次の方々。

 京都府宇治市、宇田淳一さん(34)▽京都府宇治市、大村勇貴さん(23)▽京都市伏見区、笠間結花さん(22)▽京都市伏見区、木上(きがみ)益治(よしじ)さん(61)▽京都市東山区、栗木亜美さん(30)▽京都府宇治市、武本康弘さん(47)▽京都市伏見区、津田幸恵さん(41)▽京都府宇治市、西屋太志(ふとし)さん(37)▽京都市伏見区、横田圭佑さん(34)▽京都府井手町、渡辺美希子さん(35)

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 朝日新聞は事件報道に際して実名で報じることを原則としています。

 犠牲者の方々のプライバシーに配慮しながらも、お一人お一人の尊い命が奪われた重い現実を共有するためには、実名による報道が必要だと考えています。それが、社会のありようを考えるきっかけにもなると思っています。