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 原爆投下から2カ月後の1945年10月から12月にかけて、広島文理科大学(現・広島大)の地質学鉱物学教室の研究者らが、被爆地の石を調査のため採取した。学生として同行した故秀敬(ひでけい)・広島大名誉教授の調査ノートの現物が、今年4月、広島大学文書館(東広島市)で見つかり、同大が5日から医学部医学資料館(広島市南区)で初公開する。

 秀氏らは45年に広島市内で7回の調査を実施。秀氏は被爆岩石を採取し、採取場所や岩石の状態などを、イラストや地図入りで詳細にフィールドノートに書き込んだ。同大原爆放射線医科学研究所の久保田明子助教によると、その内容を調査から3年後に1冊に整理したのが、今回見つかったノートという。

 ノートは、表紙に「広島に投下された原子爆弾調査―特にその熱線の岩石、瓦に及ぼした影響―」と記されている。後年、コピーされ、被爆岩石とともに原爆の爆発高度の修正に利用されるなど、貴重な資料として使われた。ただ、その後、実物の所在がわからなくなっていた。2007年に秀氏が亡くなった後、約8千件の研究資料が遺族から広島大学文書館に寄託され、ノートはその中から見つかった。

 展示では、秀氏が採取した被爆岩石のうち、護国神社の玉砂利、万代橋の欄干の一部など5点も並ぶ。同大の原爆放射線医科学研究所(082・257・5877)、医学部など共催。9月20日まで。平日の午前10時~午後4時。夏季休暇日閉館。(八田智代)