[PR]

 学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却や財務省関連文書の改ざんなどをめぐる問題で、大阪第一検察審査会が「不起訴不当」と議決した佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長(61)ら10人について、再捜査していた大阪地検特捜部は9日、再び全員を不起訴処分とした。

 検審の議決が強制起訴につながる「起訴相当」でなかったため、検審による2度目の審査は行われず、特捜部は捜査を終結する。

 再捜査の対象は、国有地売却をめぐる背任容疑で告発された当時の財務省近畿財務局管財部次長や国土交通省大阪航空局職員ら4人と、公文書改ざんをめぐる有印公文書変造・同行使容疑などで告発された佐川元局長や近畿財務局管財部長ら6人。検審は今年3月、特捜部が昨年5月に不起訴とした財務省幹部ら38人のうち10人を「不起訴不当」と議決していた。

 ごみの撤去費として約8億2千万円を値引いて国有地(大阪府豊中市)を森友学園に売却し、国に損害を与えたとする背任容疑について、検審は議決で「客観性のある試算を行うなど廃棄物の撤去処理費についてさらに捜査を尽くすべき」と指摘。「公訴を提起する意義は大きいのではないか」と起訴を促していた。

 国有地売却に関する決裁文書から安倍晋三首相の妻昭恵氏らの名前を削除した有印公文書変造・同行使容疑については「原本が証明していた内容が変わってしまった」、財務省が学園側との交渉記録を廃棄した公用文書毀棄(きき)容疑については「公用文書に該当」し、「破棄されていることは明らか」と指摘。両容疑とも「一般市民感覚からすると、いかなる理由があっても許されることではなく言語道断」と付言した。

 特捜部は再捜査で、取引に関する資料を再度分析。関係者を改めて事情聴取するなどして検討を重ねた結果、いずれの容疑も起訴して有罪を立証するのは困難と判断したとみられる。

 特捜部は昨年5月、38人を不起訴にした際、背任容疑について「撤去費の算定は不適正とまでは言えず、故意に損害を与える目的があったとは認められない」と説明。有印公文書変造・同行使などの容疑については「当初の文書から根幹が変わったとは認められない」などとしていた。(多鹿ちなみ、細見卓司)

     ◇

 <森友学園問題> 財務省近畿財務局が2016年6月、大阪府豊中市の国有地を地中ごみの撤去費名目で約8億2千万円を値引き、1億3400万円で小学校用地として学園に売却していたことが17年2月に発覚した。

 大阪地検特捜部は、補助金不正問題で学園の籠池泰典前理事長らを逮捕・起訴する一方で、国有地の大幅値引き問題やその後発覚した公文書の改ざん問題で前理事長や財務省関係者ら38人を不起訴処分にした。市民から選ばれた大阪第一検察審査会が今年3月、不起訴とされたうちの10人について「不起訴不当」と議決し、特捜部が再捜査をしていた。