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 字を読みやすくすることで誤読を減らそうと開発された、ユニバーサル・デザイン(UD)のフォント(書体)を教育現場で活用する動きが広まっている。読み書きに困難がある子どもに効果的というだけでなく、学力向上にもつながると期待されている。(山下知子)

 「今までの教科書やプリント類と比べたら、革命的に読みやすい」

 奈良市の高校3年の松谷知直さん(17)は、「UDデジタル教科書体」で印字された学校のプリントを見て、こう話した。書体メーカーのモリサワ(大阪市)が、デジタル教科書向けに開発したUDフォントだ。

 松谷さんは読み書きに困難があり、一般的な明朝体は「文字の輪郭が青く光って、文字が踊り出して飛んでいく」ように見える。小学5年の頃から、太さが均一なゴシック体の方が読みやすいことに気づいたが、学校ではなかなか理解してもらえなかった。母の真由美さん(45)は「学校生活において『読める』はスタートライン。書体を変えるだけで、そこに立てる子がいることを知ってほしい」と言う。

 UDフォントは形がわかりやすいように、文字の中の空間を広くとったり、濁点を大きくしたりしていることが特徴。モリサワが「高齢者に読みやすい字」を求めて開発を始めたのは十数年前。その後、弱視や読み書きに困難がある子たちの学習を助ける書体も目指すようになった。

 弱視の専門家による研究なども踏まえて開発したUDデジタル教科書体の場合は、手書きに近い教科書体の長所を生かしつつ、文字の太さの強弱を抑えたり、「す」などにあるループを大きくしたりした。文字の先端がとがっているとストレスを感じることもある発達障害の子に配慮し、はらいやはねの先端は丸めた。

 読み書きに困難がない子どもにとっても、「読みやすい字」の効果がある。奈良県生駒市教委とモリサワが今年2月、小学5年生116人を対象に「晴れた空は青い」といった短文を読ませ、正誤を考える問題をUDフォントと一般的な教科書体で解いてもらったところ、平均正答数はUDフォントが36問中29・5問で、教科書体の24・0問を上回った。制限時間の1分間で全問を解けた児童も、教科書体は4人だけだったが、UDフォントは30人いた。

■「意欲の向上にもつな…

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