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 日本代表がトンガ代表に快勝したラグビーのパシフィック・ネーションズカップが行われた花園ラグビー場(東大阪市)で、観客席でビールを手渡しで販売する「売り子」が導入された。プロ野球ではなじみの風景だが、ラグビーでは珍しく、9月20日開幕のW杯日本大会に向けた試験の一環。ファンへの円滑なビール提供は運営課題となっており、売り子は解決策の一つと期待されている。

 猛暑日となった3日の大阪。花園ラグビー場のスタンドには約20人の売り子が配置され、W杯スポンサーのハイネケンの缶ビールをコップに移して販売していた。普段は甲子園球場で販売している売り子もいた。

 野球と違ってラグビーは試合中の空き時間が前半終了後のハーフタイムしかない。W杯では飲料の持ち込みが基本的に許可されておらず、この日も同様の措置が取られたため、売店には行列ができていた。

 組織委によると、ラグビーファンのビール消費量はサッカーファンの約6倍とのデータがある。試合中も移動しながら販売できる売り子の導入によって、「W杯で観客にスムーズにビールを提供できるようにしたい」と組織委広報はいう。この日、売り子からビールを数杯購入した男性は「売店の行列に並ぶ気はしなかった。客席で買えたのはよかった」と話した。

 7月末に岩手・釜石で行われた日本―フィジーでは一部の売店でビールが早々に完売するなど、供給が追いつかない場面も。花園では釜石の1・7倍の量のビールを用意したという。W杯本番ではビールをよく飲む外国人の観客が更に増える。組織委は本番時の天候も計算にいれながら、仕入れる量や売り子の配置などを判断していくことになる。(野村周平)