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 長崎市が2017年、伊王島町のリゾート施設の管理委託会社(当時)に売却した土地と建物が「著しく廉価だった」などとして、市民が5日、市監査委員に対し、田上富久市長に適正価格との差額分を賠償するよう求める住民監査請求書を提出した。

 リゾート施設は、合併前の旧伊王島町などが出資する第三セクターがバブル期に開業したが、01年に破綻(はたん)し、一時閉鎖した。「KPG HOTEL&RESORT」(同市)が、03年に町から管理業務を受託。17年4月には長崎市から4億3600万円で権利譲渡を受け、現在、「i+Land(アイランド) nagasaki」として運営している。

 監査請求では、売却前に市が行った不動産鑑定では土地と建物の評価額が約13億円だったにもかかわらず、市が「維持補修費」名目で大幅に減額したのは「買い主の提示した額より低く極めて不自然」だと指摘。契約が競争入札を経ず、随意契約だった点も問題視した。

 一方、市は取材に対し、維持補修費の減額については、耐用年数が過ぎた大規模修繕費約9億円が含まれており、今後10年間、宿泊施設を継続する条件で勘案したと説明。随意契約については、一時閉鎖された施設を立て直した経営能力や地域で雇用を生んだ貢献度などを考慮したと述べた。(小川直樹)