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 愛知県内で開かれている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止されたことについて、実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事が5日の定例記者会見で説明した。主な内容は次の通り。

    ◇

 「あいちトリエンナーレ2019のなかの『表現の不自由展・その後』につきましては、3日午後6時までとさせていただきました。内覧会も含め、実質4日展示することになりましたが、様々なご意見をいただきましたけれど、そういうなかで大変残念なことに脅迫、恫喝(どうかつ)、電話対応した職員の名を聞き出して怒鳴りつける誹謗(ひぼう)中傷。心ない動きがたくさんありました。『ガソリン携行缶をもってお邪魔する』というものもありました。あいちトリエンナーレという3年に一度の芸術祭を、安全安心に多くの方に楽しんでいただくという観点から、今回中止とさせていただきました。我々としてはいただいた電話やメールなどについても、電話回線や職員を増やし、部屋を新たに設けてきましたが、テロ予告とか脅迫まがいのことを言われますと、安全安心を考えて、津田大介芸術監督ともご相談してこの判断に至りました」

 「そういうなかで本日早朝5時ごろ、また1通のメールが県に届きまして、職員が気づいてただちに警察に連絡しました。名前も住所も書いてあるメールで『わたしの部下、青葉真司が実行した京都アニメーション事件はお楽しみいただけましたか』『(会場の)愛知芸術文化センターなどに、ガソリンを散布します』と。ただちに警察に連絡しました。こういう卑劣なメールが来ることは、言語道断だと思っております。きちんと対応を取っていきたい。住所も名前も、本当にそうなのかわかりませんが、書いてあります。厳正に対処していきたいと考えております」

河村さんの発言、憲法違反の疑い濃厚

 「河村たかし・名古屋市長から文書をいただきました。『表現の不自由という領域ではなく、日本国民の心を踏みにじる行為であり許されない。厳重に抗議するとともに、展示の中止を含めた適切な対応を求める』と。要は行政の立場を超えた展示が行われていると。そして(日本維新の会の)杉本和巳衆院議員の名前で、作品を特定して『不適切であり、展示中止を求めます』と。どちらも判が押されているので、公文書でしょう。これについて、私の考えを申し上げたい」

 「今回の河村さんの一連の発言は、私は憲法違反の疑いがきわめて濃厚ではないかと思っています。憲法21条は『集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する』。第2項では『検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない』。このポイントは、国家があらかじめ介入してコントロールすることはできない。公権力が思想の自由を判断することすら許されていない。既存の概念や権力のあり方に異論を述べる自由を保障する。要は公権力が思想内容の当否を判断すること自体が許されていないのです、というのが定説なんでしょう。それが憲法21条に書いてあります。最近の論調で『税金でやるからこういうことやっちゃいけないんだ』『おのずと範囲が限られるんだ』などと、いろんな意見が飛び交っていますが、私は逆ではないかと思います」

税金でやるからこそ表現の自由を

 「行政、国、県、市。公権力を…

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