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 地方独立行政法人・市立大津市民病院の2018年度の診療実績や経営状況などを確認する評価委員会が5日、市内であった。患者数が中期計画より少なく、資金繰りが苦しい状況が続いていることから、委員からは今後の見通しについて厳しい意見が相次いだ。

 評価委は県や医師会、大学教授、監査法人などのメンバーで構成している。病院は公表した事業報告書を基に、集中治療室(ICU)を6床から8床に増やし、増収効果があったと説明。経常利益も市が支出している運営費負担金を除くと「前年度に比べて2億6千万円の改善を図れた」と報告した。

 一方で3月時点の短期の借入金の残高は19億円に達し、前年度の約12億円から大幅に増加。中期計画(17年4月~21年3月)との比較でも、入院患者数は約12万6千人で7千人以上も少なく、外来患者数は約22万8千人の見込みよりも約1万8千人少なかった。

 委員たちは「実績に合わない計画を見直すべきだ」「具体的な対策が見えない」など厳しく指摘した。

 これに対して病院側は、放射線治療や手術件数の実績を上げること、診療報酬の点数の高い診療に力を入れることなどの対策を示した。しかし委員は「この状況はしばらく続く。病床数や診療科数など構造改革の議論をすべきだ」などと、抜本的な見直しを求めた。

 また今年6月までの業績を踏まえた短期借入金の見込みも提示。9月に中期計画で定めた限度額の20億円を超え、来年3月には31億円に膨れあがることを明らかにした。

 越直美市長は「病院がまとめる経営改善計画の状況を見て、9月議会で運営費負担金の補正予算を組みたい。20億円を超えないようにしていく」と説明した。

 この日の会合で、病院側から経営改善計画が示されなかったことに、ある委員は「危機的な状況で市民の関心も強い。改善計画が出ないのは困ったものだ。スピード感を持ってほしい」と苦言を呈した。(山中由睦(よしちか))