激戦地を渡り歩いた一兵卒が、若き日に記した従軍手帳や日記。それを託された女性は考える。どんな思いで戦ったのか――。
「これ、預かってくれないかな」
ビルマ(現ミャンマー)戦研究者の遠藤美幸さん(56)=東京都=は5年前、元日本兵の金泉潤子郎(じゅんしろう)さん(当時95)の自宅でそう言われた。手のひらほどの茶色く変色した手帳が3冊。うち1冊はバラバラだった。「家族は興味ないから」。それは一兵卒だった金泉さんが「現場」を記した従軍手帳や日記だった。
金泉さんは新潟県出身。1940年4月に仙台の工兵第2連隊に入隊した。工兵は爆薬や建設技術などを使って最前線で道を切り開き、陣地を築く部隊だ。
「4月15日晴(中略)午後5時半、銃ノ授与式有リ。銃ハ軍人ノ魂デアル」。その手帳には入隊から42年にかけての日々がつづられていた。誠実さ、まじめさが随所に表れている。
「5月4日晴曇 7時から精神…
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