山内深紗子
子どもの虐待に、どう立ち向かうのか。米国では、発生や再発を防いだり、親子が再び一緒に暮らせるようにしたりするための様々なプログラムを充実させています。現場の取り組みなどを紹介します。
「母親に指導している時、父親が会話に入ってきたら、どうしたらいいですか」
「お母さんとお父さん、それぞれに説明する時間を設けましょうね」
米国南東部、ジョージア州アトランタにある、育児放棄(ネグレクト)に効果が高いとされる家庭訪問プログラム「Safe(セーフ) Care(ケア)」を手がけるNPOの本部。訪問員歴7年のメアリー・ジョイスさん(39)は、カリキュラムに沿って忠実にプログラムを実施できているかどうか、コーチの職員から細かな確認と助言を受けていた。
このプログラムは1980年代に、ネグレクト予防のために考案された。0~5歳の子どもがいる家庭に無料で週1回、6カ月にわたって通いながら、親子関係を改善したり、事故を防いだりするための実践的なアドバイスを伝える。全米26州で実施されている。
ジョイスさんは、数年前、20代前半の母親を担当した時のことを語ってくれた。
2児の親だったが、子どもはネグレクトで保護された。改善が見られなかったため、母親が17歳の時に裁判所が特別養子縁組が必要と判断し、子どもの親権を失っていた。3人目を出産した時、虐待予防のために必要と判断した裁判所から、このプログラムの受講を命じられた。
母親は、子どもがぐずったり泣…
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朝日新聞社会部