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 お産の事故で赤ちゃんが重い脳性まひになった場合に補償金を支払う「産科医療補償制度」で、制度を運営する「日本医療機能評価機構」は7日、ネットで公開してきた事故報告書の要約版の4分の1が非公表になっていると明らかにした。

 要約版は、事故の再発防止のため、医療者の研修や事故が適切に分析されたかを患者団体が確認するなどの目的で公開してきた。親子や医師の名前、時期や医療機関名は載せていない。

 だが、個人情報保護法に触れるのではないかという懸念から、同機構は昨年8月、公開を中止。同法は、公衆衛生の向上に必要で、同意が難しい場合、同意がなくても個人情報を第三者に提供することを例外的に認めている。機構も公開は法的に問題がないとしているが、保護者と医療機関の双方に同意を得ることにした。

 その結果、2313例の報告書のうち、4分の1にあたる578例で同意が得られなかった(6月末時点)。同意しない理由は「公表に何となく抵抗感があった」「どのようなメリットやリスクが生じるのかよくわからなかった」などが多かった。

 過去に産科医療補償制度原因分析委員会部会員を務めた加藤高志弁護士は「公表しないことが正当化される明確な理由がない。医療機関の意向で非公表が認められては、ほかの医療事故調査にも影響してくる。全例公表に戻すべきだ」と話している。(水戸部六美)