福井市中心部が焼け野原になった福井空襲から、復興に向けて歩みを進めていた1948年6月28日、市街地は大きな揺れに見舞われた。マグニチュード7・1を記録した福井地震。町並みは再び一変した。その前後の町の様子を撮影したカラー写真が、福井県立歴史博物館で展示されている。
地域のシンボル的存在だった百貨店は大きく傾き、橋は崩落。いたるところに建物の焼け跡も――。カラー写真が当時の被害の大きさを物語る。総括学芸員の瓜生由起さん(52)が「空襲の被害から復興し、多くの人が安心して暮らせると思い始めた矢先の震災だった」と説明してくれた。
写真は、47~49年に日本に駐留していた米軍人ジェームス・原谷さんが撮影して、後に朝日新聞社に寄贈したうちの21点と、福井地震のときに京都から救援に訪れた米軍医ジョン・D・グリスマン氏が撮影した4点の計25点。博物館によると、その当時、趣味でカメラにお金をかける人しかカラー写真を撮れなかったという。新聞社やGHQが撮影した写真は白黒ばかり。それだけに2人の写真はとても貴重なものだ。
今回の展示には、原谷さんが…