田中瞳子
長崎は9日、米国による原爆投下から74年を迎えた。長崎市の平和公園で平和祈念式典があり、田上(たうえ)富久市長は核軍縮と逆行する国際情勢に危機感を示し、日本政府に核兵器禁止条約への署名、批准を迫った。
式典には安倍晋三首相や国連軍縮部門トップの中満泉・事務次長、核保有国6カ国を含む66カ国の駐日大使らが参列。原爆が投下された午前11時2分に黙禱(もくとう)を捧げた。
2日には東西冷戦終結を象徴する米ロの中距離核戦力(INF)全廃条約が失効。田上市長は平和宣言で、「積み重ねてきた人類の努力の成果が次々と壊され、核兵器が使われる危険性が高まっている」と指摘。来年、発効50年を迎える核不拡散条約(NPT)に触れ、「核兵器をなくすことを約束し、その義務を負ったこの条約の意味を、すべての核保有国はもう一度思い出すべきです」と訴えた。「唯一の戦争被爆国の責任」として日本政府に核兵器禁止条約への署名、批准を迫った。安倍首相は昨年同様、6日の広島での平和記念式典に続き、あいさつで核兵器禁止条約に触れなかった。
今年の式典で奉安された原爆死没者名簿には、この1年間に死亡が確認された3402人の名前が新たに記された。これまで奉安されたのは18万2601人になった。(田中瞳子)
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朝日新聞社会部