鶴信吾
貴重なたんぱく源として重宝されてきた昆虫。見た目の気持ち悪さなどから、昆虫食は衰退の一途だ。そんな虫の味わいに魅せられた人がいる。篠原祐太さん(25)。東京都内を拠点に昆虫食の販売やイベントをしつつ、虫料理レストラン開業を夢に抱く。
セミのギョーザに、タガメを使って蒸留したジン――。6月下旬、東京・新宿のバーでは、虫を使った料理8品を振る舞うイベントがあった。60人ほどの男女を前に、篠原さんが「旬な虫を集めましたので、ぜひ食べていってください」とあいさつ。参加者たちは、素揚げのセミをグラス代わりに乾杯した。もともと昆虫食に興味があるという東大院生、迫野貴大さん(25)は「昆虫をちゃんとした料理にしようという発想がすごい」と話した。
篠原さんは高尾山(東京都八王子市)のふもとで育った。幼い頃から、自宅周辺でバッタやイモムシを口に入れた。学校の行き帰りや1人で家にいる休日に、見かけた虫を手当たり次第、口にしていた。人には言えない「秘密の遊び」だった。
昆虫を食べるに当たって、昆虫食文化に詳しい専門家は「ナマ食はだめ。病気の原因となる寄生虫や細菌がいる可能性もあり、必ず火を通すべきです」と指摘します。また、アレルギーにも注意が必要だとしています。記事の後半では、記者が参加した「虫レストラン」の食レポも。
2013年に大学に入って、転…
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朝日新聞社会部