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 初戦突破ならず――。第101回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)2日目の7日、1回戦で静岡は津田学園(三重)に1―3で敗退した。相手投手を打ち崩せずに敗れはしたが、センター・片平吉信君(3年)やライトの斎藤来音(らいね)君(同)らの好捕など堅守が光る静岡らしい戦いぶりを見せ、八回には小岩和音主将(同)の適時打で1点を返す意地を見せた。

大舞台で躍動 3年生に恩返し 神谷侑征選手

 「堅実で努力型の3年生がチームを支え、思い切りのいい2年生が火付け役になる」。静岡の栗林俊輔監督は今年のチームをそんな風に表現。甲子園の舞台でもその持ち味を出した戦いぶりだった。

 一回表、静岡の二塁手・神谷侑征(ゆうせい)君(2年)が、相手先頭打者の放った外野に抜けそうな打球をジャンプして好捕。チームを勢いづけた。

 神谷君は今春の大会のあと、樋口裕紀君(3年)に代わってレギュラーの二塁手に。ポジションを奪われた樋口君だったが、「思い切りやればいい」と常に応援や助言をしてくれてきた。この日も試合前、「思い切りやれ」といつものように笑顔で言ってくれた。

 一回裏は好投手の津田学園・前佑囲斗君(3年)との対戦。神谷君は左前安打で出塁すると「投げる時に、体重が右足に乗る」と見切り、すかさず二盗。この日は2度の盗塁などで、3回、得点圏に進んだ。

 終始、追う展開だったが、あきらめることはなかった。「頼れる来音さん(3年・斎藤君)とか小岩さん(同・和音君)とかがいるので、自分の役割を果たそう」。2回目の盗塁後、4番の小岩君が左前適時打を放ち生還。ベンチに戻り、「まだ行こう!」と逆転に向け声を上げた。

 神谷君はじめ、内野はレギュラー4人のうち3人が2年生。神谷君は「みんな樋口さんに育ててもらった。褒められたり、厳しいことを言われたり。毎日のやりとり一つひとつが大事な思い出です」という。

 この日は2番手としてマウンドに上がった松本蓮(れん)君(2年)も4者連続三振を取るなど、津田学園打線に対し6回無失点の活躍をみせた。

 樋口君は試合後、「自分たちを甲子園に連れてきてくれた頼もしい2年生たち。楽しい後輩にかこまれて野球ができてよかった」と振り返り、「神谷はこれから責任も増え、つらいこともあると思う。それでものびのびとやっていってほしい。そして、監督に(夏の)甲子園での初勝利を渡してほしい」と願いを託した。(宮川純一)