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 震災以前に仙台市若林区の井土地区で生息していた「井土メダカ」。津波にのまれて姿を消したと思われた彼らだったが、研究のため、奇跡的に保護されていた。いま「里親」として繁殖に挑戦しているのは市内外の約300組。固有の生き物を地域に戻すことで、復興につなげようとする試みが進んでいる。

 「ごはんを炊くと、中にメダカが入っていたらしい」

 びっくりするような話をしてくれたのは、同区今泉1丁目で暮らす丹野明夫さん(70)だ。生まれ育った井土地区には水田が広がり、メダカは身近にいた。

 海岸沿いに約100世帯が暮らしていた地区を広範囲の津波が襲った。犠牲は30人以上。今も一部が災害危険区域に指定され、戻ったのは約10世帯にとどまる。メダカの姿も全く見られなくなった。

 そんなメダカたちだったが、偶然にも生き延びていた。場所は大学の研究室。宮城教育大准教授の棟方有宗さん(魚類学)が震災前年の8月、付近の用水路でミナミメダカ数十匹を採取していたのだ。

 棟方さんによるとメダカは外来種や農薬の影響などで絶滅危惧種に。市内で確認されるのは珍しかった。生息範囲も狭く、同じミナミメダカでも地域ごとにDNAが微妙に異なるとされる。せっかく研究室で保護した「井土メダカ」。絶滅させないためには飼育拠点の分散が望ましい。

 棟方さんは考えた。「固有のメダカが戻れば地区への関心が高まり、復興の呼び水になるのでは」

 八木山動物公園にも相談して「里親プロジェクト」を始めた。2012年から繁殖を手伝ってくれる里親を募集し、メダカを分け与えた。今春までに手を挙げた市内外の約300組が、それぞれ自宅や職場の水槽、ため池などで繁殖させている。

 そんな里親の1人が丹野さんだ…

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