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 東日本大震災を起こした地震について、京都大などのチームは、「スロー地震」と呼ばれる断層のずれが多発する区域が、巨大地震の拡大を止めた可能性があると発表した。スロー地震は南海トラフでも観測されており、大地震のリスク評価に役立つかもしれないという。

 スロー地震は、瞬間的に断層が滑る通常の地震に対し、1日に1センチメートル程度と極めてゆっくり断層が滑る現象のこと。プレート境界で観測され、大地震との関係を探る研究が進められている。

 京大、防災科学技術研究所、東北大、東京大のチームは、海底地震観測装置やGPSなどの地殻変動データを用い、1991年から2018年に日本海溝沿いで記録されたスロー地震の分布を調べた。

 断層が大きく滑り、巨大地震が起きた宮城沖の南北約300キロメートルのエリアでは、スロー地震は少なかった。一方、このエリアを挟むように、十勝沖から三陸沖、福島沖から銚子沖では多かった。スロー地震の多発区域は、過去の大地震でも断層が大きく滑っていない傾向があることもわかった。

 チームの西川友章・日本学術振興会特別研究員は「多発域は、大地震の破壊のエネルギーが伝わるのを妨げ、スロー地震としてゆっくりエネルギーを解放しているとみられる」と話している。研究成果は23日、米科学誌サイエンスに掲載された。(野中良祐