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 旧優生保護法のもと、障害のある人たちが不妊手術を強いられた問題で、今春成立した一時金支給法に基づく320万円を被害者に支給するため、兵庫県は9日、特定できた対象者へ個別に通知する方針を決めた。国がプライバシー保護を理由に個別通知をしない中で、独自に判断した。

 家族や周囲に手術を受けたことを伏せている被害者もいるとみられるため、通知は最終的に本人と直接会って行う方向。県は当初、国と歩調を合わせていたが、神戸地裁に国家賠償請求訴訟を起こしている原告団や弁護団からの申し入れを受け、方針を転換した。

 会見した県健康増進課の藤原恵美子課長は「本人が知る機会は多い方がいい」と述べた。県が把握済みの被害者は65人。県はさらなる個人特定に向け、医療福祉施設へ調査協力を求めることも検討する。

 一時金支給対象者への個別通知を巡っては、既に鳥取県や岐阜県などが郵送や面談での個別通知を行っている。兵庫県は1966年に「不幸な子どもの生まれない運動」を始め、強制不妊推進施策を全国に先駆けて展開した歴史があり、被害者からはその反省に立った積極的対応を求める声が上がっていた。