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 走っていると、鳥になったような気持ちになれた――。1964年の前回東京五輪の聖火リレーで、愛知県安城市内で聖火ランナーを務めた伊吹昭人さん(73)は、あの頃の気持ちをこう語る。当時は18歳。55年間大切に保管していた聖火トーチやユニホームが、市歴史博物館の特別展「1964―東京五輪がもたらしたもの―」で展示されている。

 伊吹さんがランニングを始めたのは61(昭和36)年、中学校を卒業し、安城市内に新しくできた工場に旋盤工として就職してからだ。高度成長の下、農業中心だった市内にも工場が建ち始めていた。陸上競技の経験はなかったが工場仲間に誘われるまま走り始めた。毎日、夕方に仕事が終わると、工場から市内の陸上競技場まで往復約30キロを駆けた。

 「走ること自体が楽しくて。鳥になった気分だった」。いまも張りのある声で当時を思い返す。地元の陸上競技愛好者クラブに所属し、記録がどんどん伸びた。走り始めてわずか2年ほどの63年10月、西三河陸上競技記録会で一般男子1500メートルで優勝。注目の若手選手として、翌年の五輪聖火リレーで市内を走る正走者3人のうちの1人に抜擢(ばってき)された。

 「最初はそれほど重いものとは…

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