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(13日、高校野球 智弁和歌山7-1明徳義塾)

 0―1で完封されんのかと思ったら、1イニング3本塁打で一挙7点。ツキも実力のうちとは言え、甲子園の女神がほほえんでくれましたね。

 1点を追う七回、1死を取られた後、池田陽佑(3年)が左中間への当たりを果敢な走塁で二塁打にしたのが始まりでした。綾原創太(2年)も敵失で出て一、三塁。ただ、黒川史陽(3年)は外角低めを打たされ、二塁に寄ってた遊撃正面への強いゴロ。併殺で終わってたはずなんです。

 ところが、今年はあそこへのゴロがよく跳ねる。イレギュラーして遊撃手の頭を越え、同点。続く細川凌平(2年)が右中間に完璧な本塁打を打ち込みました。甘い球でしたけど、その前の外角球によくバットが止まった。ぼくは「走者がいてゴロを打ったらゲッツーだ、外へ打て」と遠くへ飛ばせる球を狙え、とずっと教えてきましたが、その通りの打撃でしたね。

 この試合は、台風が近づいていて、甲子園は普段と逆に左から右へ強風が吹いていました。根来塁(3年)と東妻純平(3年)の本塁打は風にも助けられましたが、風を利用するのもひとつの野球ですしね。

 明徳義塾の馬淵史郎監督は五回のピンチに伝令を送って黒川との勝負を避けさせるなど、石橋をしっかりたたいて渡る慎重さは健在です。1、2年生を多く使って、来年のこともちゃんと考えとる。さすがですよ。智弁和歌山が甲子園で明徳義塾とやるのは3回目で、勝ったのは初めて。たまにはいいでしょう(笑)。2002年夏の決勝で2―7で負けたのを、7―1でやり返しましたしね。(智弁和歌山・前監督)