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(13日、高校野球 星稜6-3立命館宇治)

立命館宇治・宮下力外野手

 滉成(こうせい)、頑張ってや。試合前、この日スタメンの3年生・中村滉成に伝えた。自分は後輩だけど、タメ口でOK。滉成が怒ったことはない。

 今年1月、自分の学年のかわいい女子の話題で盛り上がったのが、仲良くなるきっかけだった。部内は恋愛禁止だけど。そのときはまだ中村さん。でも、滉成に「堅苦しいのはきらいや」と言われ、下の名前で呼ぶようになった。

 共通点が多かった。まず、群れるのが苦手。野球では送球に難があって、内野手から外野手に転向したのも同じ。そして、甘党。オフに学年ごとに遊ぶ計画があったけど、お互いに欠席した。だって、人が多いのは疲れるし。その日は2人で大阪・梅田に行って、感動系の恋愛映画を見た。そのあとに、はやりのタピオカミルクティーを飲もうと店の前まで行ったら大行列で断念した。でも、代わりに入った食パン専門店で食べた甘いパンがすごくおいしかった。

 もうひとつ共通点がある。競争という言葉が好きじゃない。滉成とはポジションが一緒。だけど、「出場した方が全力で頑張ろう」「出ない方は全力で応援しよう」と言い続けてきた。

 滉成の代打で六回から出場し、2打数無安打。試合後、いつもは夫婦漫才のようにふざけるけど、滉成の顔を見たら涙が止まらない。もっと一緒に野球がやりたかった。これまでありがとな。そして、これからも仲良くしてな。(辻隆徳)