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 持ち味の粘り強さを発揮して、サヨナラ勝ちで8強入りを決めた。第101回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の第10日の16日、明石商は3回戦で宇部鴻城(山口)と対戦し、延長戦の末、3―2で勝利した。次戦の準々決勝は大会第12日の第1試合(18日午前8時開始予定)で、八戸学院光星(青森)と戦う。

相棒の一言で決めた 河野光輝遊撃手

 アルプススタンドの応援団やベンチの仲間たちの声がよく聞こえた。気負わずに、自分がやるべきことをやったら試合を決められる。そんな自信があった。

 同点で迎えた延長十回裏、1死満塁のチャンスの場面で、打席に立った明石商の河野光輝(3年)は落ち着いていた。直前に主将の重宮涼(同)から声をかけられた。「胸張ってやったらいいから。決めてこい。頼んだぞ」

 初球の直球を見送ると、待っていたスクイズのサインが出た。「ボールの勢いを殺して、転がさないと」。2球目の真ん中に来た直球をバットにあてた。打球は宇部鴻城の投手の前に転がり、三塁走者の安藤碧(あおい)(同)が本塁を駆け抜け、サヨナラ勝ちとなった。

 決勝スクイズを決めた河野は遊撃手、重宮は三塁手としてプレーしてきた。2人はチームの宿泊先のホテルで同じ部屋で寝泊まりする。重宮が一緒の部屋を希望したという。

 「三遊間を一緒に守っているということもあるけど、人として友達として好きだから」という重宮。河野がいつも楽しい話をする一方で、遅くまで練習するそのひたむきな姿を見てきた。「そのギャップとメリハリが好き」と話す。

 そんな重宮からの言葉が、この日の試合の大事な場面で河野を勇気づけた。「あの一言で緊張がほぐれた。僕の背中を押してくれた」と振り返る河野。「次の相手はさらに強くなる。明商らしく粘り強く戦いたい」と語った。=敬称略(武田遼、松永和彦)