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経済インサイド

 安倍政権は、社会保障の大きな柱に「予防医療」を掲げています。病気を予防すれば、増え続ける医療費を抑制できる、という考え方が背景にあります。この動きを推進する経済産業省、厚生労働省、首相官邸が「お手本」としてよく例に挙げるのが、広島県呉市です。とくに最近では、経産省が呉市を例に挙げつつ「民間企業の力を生かせば、糖尿病などの重症化が予防できる」というストーリーを積極的に発信しています。いまや予防医療の「聖地」のように語られる呉市。記者が訪ねて取材してみると、永田町・霞が関からは見えていない、地域医療を活性化する「鍵」が浮かんできました。

予防で医療費が減る?

 政権や企業経営者が語る呉市の姿は、次のようなものだ。

 「成功例があります。広島県呉市では民間のベンチャー企業が入って、レセプト(診療報酬明細書)データを分析し、人工透析に至る可能性のある人をピックアップして健康指導することによって、市の医療費の負担を減らしました」(世耕弘成・経産相、2018年10月20日配信の産経ニュースのインタビュー)

 「広島県呉市などは(糖尿病)重症化予防に力を入れ、国民健康保険の医療費を大幅に減らした」(新浪剛史・サントリーホールディングス社長、17年12月13日付朝日新聞「私の視点」)

 こうした流れのなかで、安倍晋三首相が議長を務める「未来投資会議」がとりまとめ、閣議決定された「成長戦略実行計画」に次の一節が盛り込まれた。

 「糖尿病患者の年間医療費は、重症化が進むにしたがって急増しており、早期介入を通じた重症化予防が効果的である。広島県呉市においては、地元のベンチャー企業がレセプトデータ等から国民健康保険加入者の健康状態を推定し、糖尿病性腎症の重症化リスクの高い患者に対し、保健指導の介入を実施している。これにより、6年間で新規透析導入患者を6割減少させることに成功している」

 記者が引っかかったのは、この文章だ。

 こうした言説に触れると、直感…

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