週3日、5時間授業の改革 子どもも教員もゆとり増える

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佐藤清孝
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 茨城県守谷市が今年度から、市内の市立小中学校13校で独自に始めた「週3日の5時間授業」のカリキュラム改革で、子どもたちに「友達と遊ぶ時間が増えた」などのゆとりが生まれている。小学校教員の時間外勤務も短縮し、長時間勤務の解消に向けた効果も出ているという。

 今回の改革は、2020年度の学習指導要領改訂で外国語の授業時間が増えるための対応。児童・生徒と教員の「日常の負担の平準化」を目的に、市教委が週に最低3日間の5時間授業の確保を打ち出した。前・後期制を導入し、夏休みを短縮した授業などで休日を減らす代わり、平日の授業を少なくする取り組みだ。

 子どもたちの意識調査は市教委が夏休み前、9小学校(5、6年生)と4中学校の各学年から1クラスずつ抽出し、計約900人に行った。

 「週3日5時間授業が始まって、昨年と比べて放課後の生活が変わったか」という質問に「充実しているし、ゆとりもできた」「まあまあ=以下同=」を選択したのは、小学校で86%、中学校で81%だった。大半がゆとりを感じているとみられる。

 「下校後にできるようになったこと」を10項目から選ぶ質問では、小学校で「友達と遊ぶ時間が増えた」が最も多く、「趣味や自分のやりたいこと」や「体を休める」時間が増えた、が続いた。中学校では「趣味」と「体を休める」に次いで、「宿題や家庭学習をする」時間が増えた、が多かった。「習い事や塾に行かされるようになった」や「夏休みが減って残念」の記述もあった。

 5時間授業の日に部活動をすれば午後5時すぎに完全下校できることから、教員の「働き方改革」にも効果があるようだ。

 市内の大規模小学校では、6月の時間外勤務時間が34時間で、昨年同月の61時間より27時間減少。国が今年1月に出した上限のガイドライン(45時間)をクリアした。

 退勤時間も早まっている。同…

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