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(16日、高校野球 中京学院大中京9―4東海大相模)

 試合前、東海大相模の門馬監督は言っていた。「いかにビッグイニングをつくらせないかが大事」。中京学院大中京は、岐阜大会決勝の大垣日大戦は三、七回に4得点ずつ、今大会初戦・北照戦も七回の4得点で逆転勝ちと、集中打で勝ち上がってきた。

 2点を追う七回、中京は3安打で1点を返した。なお1死一、三塁。打席の藤田が初球を左翼へ強烈なファウルを放つと、相模ベンチは流れを断ち切ろうと伝令を送った。この時点で、藤田の狙いは整理されていた。

 「うちの集中打を警戒してか、序盤から相手は外一辺倒。外しかない」。相手が警戒を強めたことを逆手に取り、安全策に徹する配球を読み切った。カウント2―2から外の変化球に思い切り踏み込み、左前に運ぶ同点適時打。打線にスイッチが入った。続く小田が「準備はできていた」と右前適時打で勝ち越し。さらに3長短打を重ね、この回7得点を挙げた。

 このチームは昨秋、選抜出場をかけた東海大会準決勝で九回に5点差を追いつかれ逆転負けした経験を持つ。だから、猛攻中も緩まない。ベンチでは「何点あっても足りない!」の声が響く。この回、相模は左右の3投手が登板したが、勢いは止まらなかった。

 「ベンチの選手は七回になんとかするぞって雰囲気があって、逆に私が力をもらっている」と橋本監督。集中打は中京の際立つ特徴。それは苦しい時、心のよりどころになる。(塩谷耕吾)