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 16日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発の10年物国債の流通利回りが、一時、マイナス0・255%まで低下(債券価格は上昇)した。2016年7月以来、ほぼ3年ぶりの低い水準だ。

 米中貿易摩擦が激しくなる懸念から、米市場では長短金利の逆転(逆イールド)が発生。「安全資産」とされる日本の国債にも資金が集まっている。

 日銀は金融政策で長期金利を「ゼロ%程度」に誘導し、許容する変動幅をプラスマイナス0・1%の「2倍程度」としてきた。その幅の厳密な解釈は市場でも様々だが、すでに下限に達したとの見方もできる。

 日銀は16日午前、「5年超10年以下」の国債の買い入れ額を前回から300億円減らすと通知したが、金利の低下に明確な歯止めはかからなかった。

 日銀が、購入する国債の利回りの下限を示して市場金利の低下を止める手法もあるが、「逆に金利が上昇すると日米金利差が縮小し円高を招く」(外資系金融機関)との見方もある。市場金利がさらに下がれば、許容する幅の拡大を迫られる可能性もある。(湯地正裕)