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 待ち合わせ場所に友人が来ないので、彼のバイト先の日焼けサロンに行った「僕」(アフリカ系)が扉を開けると、待合室にいたファンキーなおじさんが「お、おにいちゃんはもう焼かんでもええやろ!!」。「ちゃうわ、待ち合わせや!」と返しつつ内心「これ色んなとこで話せるわ」と喜ぶ「僕」。

 カメルーンに生まれて日本で育った星野ルネさんが自身の体験を描いた「まんが アフリカ少年が日本で育った結果」(毎日新聞出版)のひとコマです。

 星野さん「僕はおいしい、面白いネタだと思うんやけど、(本にするにあたり)出版社の人が心配する。『これ差別じゃないけど、ちょっとややこしくないですか?』。そこでラストに『これがこてこてのアフリカ系関西人』と言葉を足しました。それでも担当の人は『うーん、大丈夫ですかねえ……』。コレ面白いと言うてくれる人、だいたい関西人ですね」

 生まれは1984年。母が日本人と結婚したのを機に4歳直前で日本にやってきて、兵庫県姫路市で育ち、現在「姫路ふるさと大使」も務める星野さんが8月10日、姫路独協大学でトークショー「アフリカ少年が姫路で育った結果」を行ったので、取材してきました。

 幼い頃から絵が得意だった星野さんが、タレント活動の傍らツイッターでマンガを発表したところ大きな話題となり、昨年単行本に。今年3月には続編「まんが アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編」も出版されました。高校の入学式で「目立つのイヤだな」と憂鬱(ゆううつ)になっていたところ、派手な民族衣装でやって来た母がもっと目立って衝撃! 昼休みにアフリカンなメニューの弁当を食べるとオーディエンスが集まる! 電車の中で幼い子どもと目が合うと「遮断」「監視」「歓迎」「号泣」、まれに「撃退」、と反応が分かれる! といったバラエティー豊かなネタが並んでいます。

 「こてこて関西人」の中身と外見のギャップが生んだ体験や、家庭内文化摩擦(例:山道を走る車から外へバナナの皮を捨てるのはOKかNGか?)、里帰りしたカメルーンで味わう異文化ギャップ(例:今夜のごちそうはセンザンコウ)などもコミカルに描かれます。自分に対しても周囲に対しても距離感がほどよくスマートなところが、心地よい読後感をもたらします。そして、私たちが当たり前と思っている「価値観」「習慣」「常識」の中に思わぬ偏りや思い込みが潜んでいることを明らかにして、アタマを気持ちよくほぐしてくれます。

 もっとも、「姫路のことばって…

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