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 中谷仁監督と初の夏の甲子園に挑んだ智弁和歌山は17日、3回戦で星稜(石川)に敗れた。大会屈指の好投手相手に数少ない好機を生かして1点をもぎ取り、堅い守りで投手陣をもり立てて、タイブレークの延長十四回まで粘ったが、最後は、自慢の強打を発揮できなかった。息詰まる熱戦に、球場の大観衆が沸いた。

西川晋太郎君(3年) 何回来ても鳥肌が立つ

 「もう朝かなって起きたら、まだ午前1時。わくわくして目覚ましが鳴る前に起きちゃいました」。智弁和歌山の西川晋太郎君(3年)は星稜戦の朝、午前4時50分に目覚めた。

 軽やかな守備と、優れたバットコントロールで、5季連続の甲子園出場。しかし、入学直後は、周りのレベルの高さに驚いた。黒川史陽君(3年)ら同級生の数人は、ノック練習に参加したり、練習試合に連れて行ってもらったりしていた。「置いていかれているようで悔しかった」

 同時期に智弁和歌山のコーチに就任した中谷仁監督に全体練習の後、毎日のようにボールケース2箱分のノックをお願いし、メンバーの座を勝ち取った。その時から野球ノートには「絶対、勝ちたい」。

 最後の夏、星稜戦が決まってからは、スマホなどで相手投手の動画を見て、タイミングを合わせる練習をした。台風で試合が順延になると、雨の中、素振りをした。「出来ることをやらずに、負けたら、悔しいじゃないですか」

 この日、星稜のエースの球を見て、「すごい投手。でも、打てないレベルじゃない」。1点を追う六回2死一、二塁。右翼方向に適時打を放ち同点に。「流れが来たかもしれない」

 延長十四回2死一、三塁、打席に立つ前、中谷監督から「任せたぞ」と言われたが、中飛。「当たりは悪くなかったが、悔しい」

 5季連続安打を果たした甲子園を「何回来ても、鳥肌が立つ場所。こんな大きな舞台で野球ができ、楽しかった」。はにかみながらも、その目は涙で腫れていた。(西岡矩毅)