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 「複雑ですね」。3回戦屈指の好カード、智弁和歌山―星稜という組み合わせについて、智弁和歌山の主将、黒川史陽君(3年)の父、洋行さん(44)は苦笑いした。史陽君の弟、怜遠君(1年)は星稜の野球部員。今大会、ベンチ入りはならなかったが、甲子園の舞台で兄弟対決となった。

 どちらかのアルプス席ではなく、「真ん中の席で観戦することも考えました」。だが、星稜の林和成監督から「史陽君は最後の年だから応援するのは当然」と背中を押され、妻の枝里子さん(49)と共に智弁和歌山側の三塁アルプス席から声援を送った。

 洋行さんは冷静に、枝里子さんは祈るようにグラウンドを見つめながら、選手たちのプレーに一喜一憂した。先制を許すも六回に同点に追いつくと、近くに座った別の保護者らとメガホンをたたき合って喜んだ。

 試合には敗れたが、選手たちがあいさつに来ると、立ち上がって健闘をたたえた。洋行さんは「本当に良い試合だった。(史陽君には)よくやったと伝えたいです」とねぎらった。(藤野隆晃)