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 トランプ米政権は15日、台湾に新型のF16V戦闘機計66機を売却する方針を、米議会に非公式に通知した。総額80億ドル(約8500億円)で、戦闘機の売却決定は1992年以来。台湾との安全保障協力を強める狙いだが、台湾との統一をめざす中国が、米国との貿易紛争や香港問題で姿勢を硬化させる恐れがある。

 16日、米議会筋が明らかにした。米議会内では超党派で台湾支援の意見が強く、米政権から正式な通知を受ければ、承認される公算が大きい。米上院外交委員会のリッシュ委員長は同日、「米国は台湾の防衛協力に強く関与し続ける」との声明を発表し、売却に賛同する意向を示した。

 トランプ政権は2017年の発足以来、台湾への武器売却に力を入れてきた。今年7月にはM1A2エイブラムス戦車108両など22億ドル分の売却を決めるなど、これまでに4回売却を決定。米議会調査局の資料に基づけば、今回の80億ドルは米議会に通知された売却額としては90年以来で最大規模となる。

 台湾は旧型のF16戦闘機が老朽化したことで新型機の売却を米国側に求めていたが、オバマ前政権は中国に配慮し、認めなかった。台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は17日、「とても喜ばしく、非常にありがたい。十分な防衛能力を保有してこそ、平和を保てる」と語った。

 一方、中国側は「一つの中国」の原則に反するなどと猛反発。外務省の華春瑩報道局長は16日付のコメントで「中国の主権と安全保障上の利益を害する。売却をやめなければ強く反応する。責任はすべて米国が負うことになる」と警告した。(ワシントン=香取啓介、園田耕司)