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(17日、高校野球 星稜4-1智弁和歌山)

 十三回裏、無死一、二塁の守り。表に点を奪えなかった智弁和歌山は勝負をかけた。送りバントを試みる星稜の代打新保に対し、一塁手佐藤、三塁手綾原が猛チャージをかける。2球目、投前へ転がった打球を佐藤が横取りするかのように捕球し、三塁カバーの遊撃手西川へ送って封殺。この回を無失点でしのいだ。

 強打のイメージが濃いが、選手にはむしろ、「守ってこその智弁」との意識が強い。要所で進塁を防ぐこのシフトも徹底して磨いてきた。「野球の技術、戦略をもっと教えてくれと、くってかかってくるような3年生たち。十三回も主将の黒川が『シフトをやらせてください』と言ってきた」と中谷監督。

 十四回は池田が先頭の投前バントを三塁封殺した。サヨナラ本塁打を打たれたのは、その直後。崩れ落ち、立ち上がれず、駆け寄ってきた野手に支えられた。六回から星稜・奥川と投げ合い、譲らなかったエースは、「こんな試合が出来て幸せだった」。涙目で胸を張った。

 十四回に及んだ激闘で犯した失策は0。鉄壁の智弁を貫いた。(竹田竜世)

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 ●中谷監督(智) 星稜の奥川について「足がつったかなと思った後、変化球が増えたと思いきや、150キロ台の直球がドン、ドンと。想像を超えてきた」。

 ●黒川(智) 「(甲子園は)自分が今までうまくいってきたことが全部チャラになって、もう一度見つめ直させてくれるところです」と涙。