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 5年ぶりのリーグ優勝へ、巨人が確実に近づいている。打線を引っ張るのは、キャプテンの坂本勇。17日の阪神戦では自己最多となる32本目の本塁打を放った。本塁打数はリーグ1位。安打数も136本とトップで、80打点は同2位と、複数のタイトルを狙える位置につける。

 一回1死走者なし。阪神の先発、西が投じた初球のスライダーを坂本勇は踏み込んでとらえた。左中間席に飛び込む今季32号を「いい先制点になった」と喜ぶが、記録に関しては「興味ない」と素っ気ない。

 もともと、坂本勇は内角打ちが得意で、2012年に173本で最多安打、16年には打率3割4分4厘で首位打者も獲得しており、ミート力に定評があった。一方でパワーヒッターではなく、本塁打数は入団3年目の09年以降では、10年に31本、16年に23本を打ったほかは10本台だった。

 本塁打数が伸びた遠因には、一つの助言がある。16年の春季キャンプで、臨時コーチを務めたOBの松井秀喜氏からフォーム改良を勧められた。軸足となる右足と、踏み出す左足の体重のかけ方を、9対1ぐらいにする打法だ。

 球を引きつけ、体重の大半を残した軸足の回転で遠くへ飛ばす。そのため、タイミングを取るときに高く上げていた左足を低くし、始動も遅くした。今でも「軸足を強く意識している。しっかりと体重が残っているぶん、最後の一押しができている」と言う。

 試合前の練習では「何年か前から、強く遠く飛ばすことを意識している」。ロングティーではボールにバックスピンをかけ、大きな放物線の打球をスタンドへと打ち込む。原監督も「私が前に監督をしていたときより、一回り、二回り大きくなった。インパクトでパワーが出るスイング」と進化に目を見張る。

 昨季までは夏場に調子を落としたり、ケガで離脱したりしたこともあった。「夏があまり得意じゃない」と自覚しており、今季は試合後、自宅に帰ってからも自分1人でできるストレッチやエクササイズに継続して取り組んできた。

 入団13年目、30歳。「年齢的に疲れを感じるようになってきた。いい状態で毎日を迎えられるようにしたい」と坂本勇。優勝争いの重圧をいかに克服できるかも、複数タイトル獲得へのカギになりそうだ。(山下弘展)

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