【動画】燃える「大」の文字=笠原雅俊撮影
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 四万十川河口に近い高知県四万十市間崎地区で16日夜、伝統の盆行事「大文字の送り火」があった。一帯が薄暗くなった午後7時、ドドンという煙火の合図で大文字山(十代地山)の中腹に並べた薪に点火され、縦25メートル、横23メートルの「大」の文字が浮かび上がった。

 送り火は、地区の87戸が4班に分かれて輪番制で担当している。2トントラック1台分の薪を用意して、地区の若者が「大」の文字の書き順で点火した。山の周辺では観光客やカメラ愛好家が鮮やかに燃える文字を見つめた。

 四万十市は小京都と呼ばれ、この地区の送り火は、500年以上の歴史があるとされる。応仁の乱を避けて都から同市中村地区に下向した前関白の一条教房らの精霊送りのため、息子の房家が京都五山の送り火にならって始めたと伝えられる。四万十川を行き交う貿易船のための灯台だったとの説もある。

 土佐清水市に帰省中の京都府宇治市の小学4年黒原一葉君(9)は「大きな文字でとてもきれいです。来てよかった」と話した。間崎地区長の伊賀原稔房さん(67)は「京都五山の送り火はまともに見たことがないが、炎の勢いや遠くから見たイメージはこちらの方が好きです」と笑った。(笠原雅俊)