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 「ミーン、ミンミンミンミー」と大きな声で鳴くミンミンゼミ。大阪に勤務していた20年近く前、このセミは自然度の高い地域にすむと記事に書いたことがある。関西の市街地では、今もほとんど見られない。

 ところが、記事を目にした読者から「東京では都心にミンミンゼミがいる」と連絡を受けた。取材先に再度聞いても「いや、山に行かないといない」との答え。参考になる文献を探しても行き当たらず、例外的な事例なのだろうと思っていた。

 後に東京へ転勤して迎えた夏、新宿の高層ビル街でミンミンゼミの声を聞き、「えっ?」と驚いた。霞が関の官庁街や築地にある朝日新聞東京本社の緑地でも、時に鳴いていた。「大阪とはセミの事情が違うようだ」とずっと気になっていた。

 今年刊行された「セミハンドブック」(文一総合出版)のミンミンゼミのページを開けると、「関東では平地~低山地に普通にいる大型のセミで、夏に欠かせない存在。名古屋以西では主に山間部で聞くセミ」とあり、今では東西の分布の違いがはっきり認識されていると知った。著者の税所(さいしょ)康正・広島大准教授に理由を尋ねると、「昆虫の分布は長い時間の流れの中で決まる。確認する手立てがなく、ミンミンゼミの分布の違いは大きな謎だ」と言われた。

 もともと山にも平地にもいたが…

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