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【まとめて読む】患者を生きる・眠る「夜間頻尿」

 京都市の徳田美保(とくだ・みほ)さん(80)は、70歳になったころ、夜何度もトイレに起きるようになりました。眠りを妨げられ、困っていましたが、「年のせい」とあきらめかけていました。ところがそのかげに、意外な病気が隠れていることがわかりました。

一晩5回も「年のせい?」

 なぜ、夜中に何度もトイレに行きたくなるのだろう――。

 徳田さんが気になり始めたのは、70歳になったころだった。

 午前0時過ぎに寝床についてから朝8時ごろまでに、何度も尿意を感じて目が覚める。毎晩3回、多いときは5回ほど繰り返す。一度トイレに立つと、寝床に戻ってもすぐには眠れず、日中はいつも眠かった。

 同居する長男の康敏(やすとし)さん(42)も、母の様子が少し気がかりだった。司法書士の仕事を終えて、帰宅後の午前2時過ぎ。2階の自室でまだ起きていると、1階で徳田さんがごそごそと起き出す音が聞こえる。「こんな時間にまだ起きているのか」。しばらくすると、トイレの水が流れる音。そんなことがこの時期、幾度となくあった。

 だが、なぜトイレが近くなったのか、徳田さんに思い当たる節はなかった。

 30年以上、公務員で事務職に就いていた。仕事をしながら、長女と康敏さんの2人を育てた。54歳で早期退職し、念願だった小料理屋を開いた。だが2年ほどで閉店した後、仕事には就いていなかった。

 63歳のとき、肺がんを患っていた3歳年上の夫、進一(しんいち)さんと死別した。当時は不安が強く、なかなか寝付けないことが多かった。精神安定剤は手放せなかったが、3~4年ほどかけて落ち着きを取り戻していた。

 一方、高血圧の治療をしていたが、患者に使うことが多い利尿薬を徳田さんは使っていなかった。もっとも、利尿薬を使った場合は日中もトイレに行きたくなることが増える。だが、徳田さんは夜間だけ、その頻度が高くなっていた。

 不眠になって目が覚め、そのタイミングでトイレに行きたくなっているのかもしれない、と考えた。それでも、一晩に数回も起きるものだろうか?

 「年齢がいったら、こんなものなのかな?」――。結局、いつも自分自身にこう言い聞かせ、疑問を胸におさめた。別の病気が隠れているとは、そのときは思いもしなかった。

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