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 愛知県内で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)の企画展「表現の不自由展・その後」が中止となったことを受け、20日、展示の「保留」を希望していた海外作家8人の展示が変更された。一時的に展示室を閉鎖したり、映像上映を中止したりしている。

 現代美術部門の2割近くが変更となり、一部のフロアでは半数近い作家の展示が見られなくなった。過去の芸術祭にも携わった事務局の担当者は「このような一時中止や展示内容の変更は過去にはなかった」と話した。

 メイン会場の愛知芸術文化センター(名古屋市東区)では、最も多くの作家が作品を展示している8階会場で、企画展を含む18組中、タニア・ブルゲラ氏(キューバ)ら6組が展示を閉鎖。1組が展示を変更した。

 名古屋市美術館のモニカ・メイヤー氏(メキシコ)の展示では、来場者らによるメッセージカード約1600枚が全部取り外され、まだ記入されていない回答カードを破り捨てたものを床にまき散らす展示に変わった。豊田市美術館でも作品の一部が黒色のゴミ袋で覆われるなど変更された。

 作家らは12日付で、「検閲された作家への連帯を示すため」とする連名の公開書簡を米美術ニュースサイトに発表。20日には作家が展示作品にこの書簡を掲げた。署名した作家11人中、書簡に署名した韓国人作家2人は6日に展示室を閉鎖している。津田氏は20日、取材に「作家が本来表現したかったこととは、違う状況に追い込んでいることは心苦しい。我々は話し合いを続けていく」と話した。

 タニア氏は12日にあった作家らの集会で「最初は沈黙を守ることで何か変えられるかと思ったが、変わらなかった。行動を起こすことで芸術祭を成功へ導けると確信している。芸術監督らを問題視しているわけではなく、私たちは連帯している」と話していた。

 展示室を閉鎖したのは、タニア・ブルゲラ(キューバ)、ハビエル・テジェス(ベネズエラ)の2氏。展示内容を変更したのは、ピア・カミル(メキシコ)、クラウディア・マルティネス・ガライ(ペルー)、レジーナ・ホセ・ガリンド(グアテマラ)、ドラ・ガルシア(スペイン)、モニカ・メイヤー(メキシコ)、レニエール・レイバ・ノボ(キューバ)の6氏。ウーゴ・ロンディノーネ氏(スイス)は展示室の閉鎖か内容変更を検討していたが、展示を継続する。(江向彩也夏、佐藤雄二、小山裕一)