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 ロシアのプーチン大統領が19日、フランスのマクロン大統領を前に、「フランスのジレジョーヌ(黄色いベスト)運動で起きたようなことがモスクワで起きてほしくない」などと、反政府デモの沈静化に手を焼いたフランス政府を痛烈に皮肉った。

 両首脳は南仏にある仏大統領保養地ブレガンソン城塞(じょうさい)で会談。それに先立つ共同記者会見で、モスクワ市議選をめぐって起きているデモに質問が及んだ。

 反政府活動家や参加者を当局が拘束していることについて、プーチン氏は、「ロシアだけで起きている話ではない」と主張し、「ジレジョーヌ運動では、参加者にも警察官にもけが人が出た」と指摘。昨年11月から続く仏の反政府デモで、暴徒がデモに交じって商店を焼き払ったり、治安部隊が発砲したゴム弾で失明した参加者が相次いだりした混乱ぶりを揶揄(やゆ)した。

 傍らでこれを聞いていたマクロン氏はすぐさま、「モスクワでは、自由な選挙参加の可能性や投獄について心配する人がたくさんいる。(一方フランスでは)ジレジョーヌと呼ばれる人々は(5月の)欧州議会選にも自由に立候補できた。比較は意味を持たない」などと反論した。

 プーチン氏は収まらない様子で、マクロン氏が「公共の秩序は守らなければならない」と、仏当局によるデモ規制を正当化したのに対し、「まさにそれは我々がしていることだ」などとやり返した。(パリ=疋田多揚)