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(20日、高校野球 履正社7-1明石商)

 一回、明石商の1番来田にバックスクリーンまで運ばれた。履正社のマウンドは、甲子園初先発の2年生、岩崎。動揺してもおかしくない。だが、次打者を3球勝負で三振に仕留めた。「自分のペースを崩されないように」。試合前の言葉通りだ。最速145キロの直球を軸に強気に投げ進めていく。

 4万人が詰めかけた準決勝で先発のマウンドに立つ。背番号17には、数カ月前まで想像できなかった。

 春の選抜はベンチ入りしたが、出番はなかった。投手陣で頼れるのはエース左腕の清水だけというチームは、1回戦で敗れた。

 岡田監督は振り返る。「普段は春から夏にかけて競争が起きるはずなのに、今年はなかった」。そんな状況で、岩崎は春の府大会でメンバーから外れた。「夏には絶対、戻ってやる」。毎晩1時間、スパイクを磨きながら、自分の課題を見つめてきた。

 投手力に課題を抱えたまま迎えた大阪大会で、ベンチに戻った岩崎が台頭した。清水と同じ5試合に登板し、わずか2失点。監督は「彼の急成長が大きかった」と認め、履正社で2本目の柱となった。

 この日は1失点で無四球完投、清水を休ませられた。「投手陣全員でがんばって優勝したい」と岩崎は言う。有言実行の初栄冠まで、あと1勝だ。(小俣勇貴