[PR]

 第101回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社・日本高野連主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)で、履正社は大会第13日の20日、準決勝で明石商(兵庫)と対戦。5試合連続となる2桁安打で快勝し、初優勝に王手をかけた。決勝は休養日をはさみ、大会第14日(22日午後2時開始予定)で、星稜(石川)と対戦する。

エース直伝 武器に完投 岩崎峻典君

 九回裏2死二塁。マウンドには、この日先発を任された岩崎峻典(しゅんすけ)君(2年)。「最後まで投げ抜いてやる」。岩崎君が投げた130球目はカットボール。鋭く動く球にバットは空を切り、この日10個目となる三振で試合を締めた。マウンド上で、控えめな笑みがこぼれた。

 「カットボールを教えてください」。昨秋の近畿大会の後、岩崎君はエースの清水大成君(3年)に頼み込んだ。当時、岩崎君の直球は140キロに届くかどうか。投手としての伸び悩みを感じていた。プライベートでも一緒に食事に行くほど仲の良い清水君は、岩崎君にとって「あこがれの先輩」。その先輩の力を借りて、もっとチームの力になりたいと思った。

 「もともと良い投手だったけど、球威が増してさらに良い投手になった」。一冬かけてカットボールを覚えた岩崎君を、清水君はそう評した。体作りも功を奏し、球速も144キロまで上がった。甲子園で初めて任された先発マウンドは準決勝。「3年生と少しでも長く野球がしたい」。その一心で投げた。

 一回裏、明石商の先頭打者、来田涼斗君(2年)に本塁打を許したが、それ以降は無四球、無失点に抑えた。二回には自身の最速を更新する145キロをマークした。後ろにはエースがいる。力の限り投げた。六回表の攻撃時、清水君から声を掛けられた。「最後まで投げてくれ」。その一言にさらに奮い立った。

 試合後、岩崎君の好投を岡田龍生監督は「300点」と絶賛。清水君も「本当によく投げてくれた。決勝では、思いに応えられるように投げたい」。岩崎君は「清水さんや、たくさんの先輩に支えられてここまで投げられた。でも油断しないようすぐに気持ちを切り替えて、決勝に向けて準備したい」とはにかんだ。(山田健悟)