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 2016年夏の台風10号の豪雨災害で、入所者9人全員が犠牲になった岩手県岩泉町の高齢者施設に対し、入所者6人の遺族17人が計1億1145万円の損害賠償を求めた訴訟は20日、盛岡地裁(中村恭裁判長)で和解が成立した。施設側が責任を認め、損害賠償金(金額は非公表)を遺族に支払う内容だという。

 訴えられていたのは、高齢者グループホーム「楽ん楽ん(らんらん)」を運営していた社団医療法人「緑川会」。遺族側・施設側の双方によると、施設側が入所者を避難させる義務を怠り死亡させたことを認め、遺族に対して今年8月末までに損害賠償金を支払うなどの内容で和解したという。母親の八重樫チヤさん(当時95)を失った信之さん(75)は「納得できる結果がでた」と話した。

 台風10号は16年8月30日、観測史上初めて東北地方に直接上陸した後、北海道に向かい、岩手県や北海道などに大きな被害をもたらした。暴風雨の影響で岩泉町の小本川が氾濫(はんらん)し、「楽ん楽ん」が濁流に襲われた。遺族の一部が「適切に避難させなかった」として、施設側を相手取り提訴していた。(御船紗子)