韓国政府、輸入食品の放射線検査を強化 日本産を想定か
ソウル=武田肇
韓国政府は21日、輸入食品の放射能汚染に対する国民の不安が高まっているとして、一部の輸入食品の放射線検査の回数を2倍に増やすと発表した。特定の国を対象にはしていないが、韓国メディアは日本産の輸入食品を対象にした検査の強化との見方を示している。
韓国の食品医薬品安全庁によると、対象となるのはお茶やインスタントコーヒー、チョコレート加工品など17品目。韓国ではこれまで輸入食品について、1キロあたり1回、放射線の抽出検査(サンプル検査)をしていたが、17品目について1キロあたり2回に増やす。17品目は過去5年間の検査で微量の放射性物質が検出された履歴があるという。放射性物質が検出されれば、必要な検査証明書が提出されない限り、送り返す。
韓国は東京電力福島第一原発事故を理由に、福島など8県産の水産物輸入を禁止しているが、これとは別の措置。韓国では原発事故後、日本産の食品輸入量が激減したが、最近では事故前の水準まで回復していた。ただ、7月に日本政府が半導体材料の対韓輸出手続きを厳格化した後、政権与党の国会議員らが対抗措置として原発事故による放射線問題をカードにするよう提起し、国民の関心が高まっていた。(ソウル=武田肇)
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