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 本州中部の高山に生息し、絶滅の恐れがある国の特別天然記念物ライチョウ。北アルプス南部の活火山として知られる焼岳(2455メートル)が、その新たな繁殖地となっていることが、国際的なライチョウ研究者の中村浩志・信州大名誉教授の調査で分かった。6月下旬、焼岳で行った中村さんの調査に同行すると、それにとどまらない新たなライチョウの生態も分かってきた。(近藤幸夫)

 標高約2300メートル。ライチョウの生息条件となるハイマツが茂る焼岳南峰の山頂近くまで登った時のことだ。「グアー、グアー」。まるでカエルのような鳴き声のする稜線(りょうせん)を見上げると、目の上に赤い肉冠があるライチョウの雄が、別の雄を追い回していた。中村さんは「なわばりを持つ雄が、侵入してきた別の雄を追い払っているのです」。

 焼岳には北峰(2444メートル)と南峰(2455メートル)の二つのピークがある。登山者が目指す北峰は、今も山頂付近の噴気孔から火山ガスが出ており、草木がほとんどない岩場の山。一方、南峰は山頂付近にハイマツが茂り、北アルプス特有の植生が見られる。現在、南峰の登山道は廃道となっている。

 中村さんによると、焼岳はかつ…

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