[PR]

医の手帳・舌がん(1)

 口の中にできる悪性腫瘍(しゅよう)を特に口腔(こうくう)がんといい、最も多いものが舌がんです。

 人間の舌は、主に筋肉からできています。この筋肉は二つに大別され、舌の形を変える内舌筋(ないぜっきん)と、舌を前後左右に動かす外舌筋(がいぜっきん)からできています。舌根(ぜっこん)の筋肉が舌骨につながっていますが、先端側はどこにもつながっていないために自由に動かしたり、舌自体の形を自由に変えたりすることができます。舌は咀嚼(そしゃく)、嚥下(えんげ)、発声に大きな働きをし、味覚や知覚を感じる受容器も備わっています。

 舌がんは舌の両脇の部分にできることが多く、舌の先端や表面の中央部分ではあまりみられません。初期のがんでは、自覚症状も少なく痛みもほとんどありませんが、進行するとさまざまな症状が表れてきます。主な自覚症状は痛みが最も多く、食べ物がしみる、口内炎が治らない、首のリンパ節がはれるなどがあります。

 その他にも、舌の粘膜に赤や白の斑点ができる場合もあります。

 舌がんは日本全国で1年間に約4200人が診断され、男性に多い傾向があります。舌がんを含む口腔がんが発生する主な原因は、喫煙と飲酒です。口腔がん全体の80%はたばこが原因と考えられています。飲酒だけでも口腔がんを発生する危険性が高まりますが、喫煙と飲酒の両方の習慣がある人では、より危険性が高まることがわかっています。

 また、舌がんでは歯並びの悪い歯や破損した金属冠などが常に舌に当たったりすることによる慢性刺激によって舌に潰瘍(かいよう)や小さなしこりができ、長い期間刺激が続くことにより、それが誘因となり発生することがあります。

 さらに刺激の強い香辛料や酸味・アルカリ分の強いもの、高塩食品などによる刺激も、発生リスクが高まるといわれています。気になる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉(いんこう)科・頭頸部(とうけいぶ)外科を受診し、早期発見につなげてください。

<アピタル:医の手帳>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学医歯学総合病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 山崎恵介助教)