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 台風などの影響で海水が沿岸部を襲う高潮に関し、最悪時にどこまで浸水するか想定し、区域図を公表するよう求められている19都府県のうち、公表を終えたのは5都県にとどまっている。浸水エリアの想定が難しいなどの要因があり、多くの自治体で作業が進んでいない。

 高潮が沿岸部を襲うと、人的被害や家屋への浸水が起きるだけではなく、交通機関や経済活動にも大きな影響が出かねない。国は2015年に水防法を改正し、大きな被害が心配される東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海、有明海、八代海に面する大阪や広島など19都府県に対し、来年度までを目標に浸水想定区域を公表するよう求めてきた。浸水リスクの高い地域を事前に示すことで、高潮の脅威に早めに備え、人的被害を軽減する狙いがある。

 ただ、区域を公表しているのは、東京都、千葉県、神奈川県、兵庫県、福岡県のみ。対象となる沿岸が広域な上、台風のルートを想定する作業が難しく、時間を要しているためだ。愛媛県の担当者は「大規模な想定が公表されれば混乱しかねないので、市町村と調整する必要がある」と話す。

 兵庫県は8月初旬、大阪湾岸部4市分の浸水想定区域を公表。浸水面積は計63・6平方キロで、南海トラフ地震による津波で想定される浸水面積の3倍超に達したという。(岡戸佑樹)