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 2020年東京パラリンピックの観戦チケットの抽選受け付けが22日、公式販売サイトで始まった。大会組織委員会によると、サイトへの訪問者は午後6時時点でのべ11万人で、待ち時間はなかったという。

 締め切りは9月9日午前11時59分で、抽選結果は10月2日に通知され、当選者は10月15日までに購入しなければならない。全22競技と開閉会式の一般チケットは900円~15万円と、五輪より安く設定されている。グループ向けのチケットは、500~2020円。

 来年初めに2次抽選があり、来春には都内の公式販売所でも販売される。

 22日は都内でイベントがあり、16年のブラジル・リオデジャネイロ大会の陸上400メートルで銅メダルを獲得した重本沙絵が「独特の緊張感、勝利に向かう選手たちの姿をぜひ会場で感じて欲しい」と呼びかけた。

記録ラッシュなるか

 競技レベルが大会ごとに上がるパラリンピック。世界的なトップ選手の争いや記録更新が注目される。

 10秒台で競い合う陸上男子100メートル(義足T64)では、2012年ロンドンと16年リオデジャネイロの両大会を制したジョニー・ピーコック(英国)が3連覇を狙う。リオ大会100メートル、200メートル(義足T62)の2冠で「両足義足の最速女王」の異名を持つマールー・ファン・ライン(オランダ)の走りも必見。男子走り幅跳び(義足T64)のスター選手、マルクス・レーム(ドイツ)は8メートル48の世界記録更新がかかる。

 今大会も五輪とパラリンピック両方の出場をめざす卓球女子のナタリア・パルティカ(ポーランド)、アーチェリー女子のザハラ・ネマティ(イラン)らにも注目だ。

前回「金ゼロ」の日本勢は

 日本勢は前回のブラジル・リオデジャネイロ大会で24個のメダルを獲得したが、夏季初の「金ゼロ」に終わった。今回は、史上最多の金メダル22個を目標に掲げている。期待される選手は、リオ大会で水泳男子4種目(全盲)のメダルを獲得した木村敬一、陸上男子400メートル、1500メートル(車いすT52)で世界記録を持つ佐藤友祈、2大会連続メダルがかかる男子走り幅跳び(義足T63)の山本篤ら。車いすテニスの男子シングルスは国枝慎吾が2大会ぶり3度目の金メダル、同女子は上地結衣が初の頂点を目指す。

 昨年の世界選手権で初優勝した車いすラグビー、前回銀メダルのボッチャ、ロンドン大会で金メダルを獲得したゴールボールなども期待される。(松本龍三郎、西村奈緒美、斉藤佑介)

組織委の山脇副会長に聞く

 開幕が1年後に迫った東京パラリンピックのチケット販売抽選申し込みが始まった。大会組織委員会は販売分のチケットを売り切り、会場全体で熱く応援する「フルスタジアム」を目指す。組織委の山脇康副会長(71)に思いを聞いた。

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 私には1年後の様子が見えています。大勢の観衆が声援を送り、選手だけではなく、観客も楽しんでいる姿が。パラリンピックは五輪のように、誰もが知る確立されたスポーツの祭典ではない。だからこそ、違った魅力で見る者に気づきを与えてくれます。

 私も気づきを与えられた一人。現役時代はビジネス一筋。パラスポーツと縁はなかったのですが、残された体の機能を使って最高のパフォーマンスを追い求める選手の姿を、60歳を超えて初めて見ました。すごい、と。障害者への意識が変わっただけでなく、自分の生き方まで考えさせられたのです。

 組織委は選手が活躍できる環境を整えるだけが役割ではありません。見る人には最高の環境で見ていただきたい。特に子どもたち。序盤から日本勢のメダルが期待される有望種目があり、価格帯も低くして家族やグループでも来られるようにしました。障害への意識が変わり、それがやがて社会を変える原動力になれば、との思いも込められています。日本は多様性を受け入れることに不慣れな一面がありますが、違いも個性として認め合う社会にしていかなくてはいけません。大会はその契機です。

 前回のブラジル・リオデジャネイロ大会は視覚障害者の競技で「クワイエット プリーズ(静かにして下さい)」が聞き入れられないほど大歓声に包まれた。日本は「メイク サム ノイズ(騒ごう)」がいい。観客の熱狂ぶりは、選手の後押しになるはずです。(聞き手・榊原一生)

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 やまわき・やすし 1948年生まれ、愛知県出身。70年に日本郵船に入社し、取締役、副社長を歴任。2011年に日本障がい者スポーツ協会理事、13年からは国際パラリンピック委員会(IPC)理事も務める。