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 韓国政府が22日に日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA(ジーソミア))の破棄を決めたことについて、国際安全保障論を専門にする慶応大の神保謙教授に聞いた。

日米韓の三角関係に穴

 日韓の安保体制の根幹の一つといえる軍事情報包括保護協定を破棄することは、北朝鮮に利益を供する以外のなにものでもない。

 韓国は北朝鮮のミサイルの飛翔(ひしょう)経路などを独自に把握しているが日本のイージス艦などから得られる情報と多角的に照合することで情報の確度を高めることができた。同様の脅威を抱える日本としても北朝鮮の軍事動向や核・ミサイル開発の分析などを韓国と共有することでインテリジェンスの向上に役立ててきた。2016年の締結以前は、日本も韓国も米国という「ワンクッション」を置いた上でしか互いの情報に接することができなかった。

 確かに北朝鮮はこの1年、中長距離ミサイルの発射や核実験の実施を控えている。北朝鮮との融和政策をとる文在寅(ムンジェイン)政権は北朝鮮の脅威に対する危機感が希薄化しているかもしれない。しかし、平時から日韓が情報を共有しているという姿勢を見せることが、北朝鮮に対する抑止力にもなっていた。北朝鮮の対外姿勢がいつ転換するとも分からぬ中で、こうした態勢を一方的に破棄してしまうのは、日米韓の三角関係に大きな穴をあけることになる。(聞き手・清水大輔)